ライドシェアの違法性を付き止めよ
2015年3月1日・第325号
福岡市を拠点とするKBC九州朝日放送が2月19日、朝の情報番組「アサデス」で、実証実験を始めたウーバーのライドシェアを取り上げた。
そもそも、これまでのライドシェアは「便乗相乗り」のことを指し、出発地から終着地までドライバーと共にするため、多くが知人同士ということが多いのが発祥からの慣わしだったと聞く。
見るほどに問題となのは「アサデス」の映像で、ドライバーが目的とする行き先でもなさそうなのに空港付近まで「運送」し、走行中に別の登録利用者からスマホに空港発の「配車要請」が入り、効率よく環境に配慮した省エネ配車ができると強調している点だ。
おそらくこのドライバーは道路運送法の存在を知らないのだろうが、この配車手法は国交省がGPS無線配車システム導入に補助金を出すなどで奨励する省エネ政策と同じ考えであることが分かる。
ここまで来ると、ボランディア精神で登録している人は実態として少数で、配車要請に答え、産学連携機構九州にデータを提供するため、セミプロ級の登録者がいて、せっせと「シェア」運送をしているとしても不思議ではない。
一説に九州大学の学生が何人か登録しているというのは、利用者側が何回もアクセスしているのに仕事や用事のためほとんどが応じられないというリスクを回避するためなのではないだろうか。
1週間に2万円も稼げるとなると、口コミで広がりお金を目的に登録する人も出てくるだろう。白タク行為の疑いがあるユエンだ。
<山田>
※3月1日付・旬刊「トラポルト」第325号、旬刊「トラポルト九州」第30号「正論・対論」より/写真:2015年2月19日、KBC九州朝日放送・朝の情報番組「アサデス」で、実証実験を始めたウーバーのライドシェアを取り上げた映像と同じものと思われる軽自動車